子供の受け口は5歳までが大切!原因・予防・治し方

子供の受け口とは?どのような症状?

子供の受け口とは?どのような症状?受け口とは、下の前歯が、上の前歯よりも前方に位置している歯並びのことを指します。
正式には、「反対咬合」や「下顎前突」といいます。見た目の問題の他、発音に支障をきたしたり、噛みづらさから消化不良の原因になったりすることもあります。

受け口になってしまう原因

受け口になってしまう原因受け口になってしまう原因には、以下のようなものがあります。

指しゃぶりなど癖による歯並び・バランスの崩れ

指しゃぶり、爪噛み、舌で前歯を触る・噛む癖などによって、受け口になってしまうことがあります。

遺伝による骨格・歯並び

遺伝による骨格・歯並び

歯並びが遺伝だけで決定されるわけではありませんが、ある程度は関係します。親御さんが受け口である場合、そのお子さんも受け口になる可能性が高いということです。
心配な場合には、早めにご相談ください。

鼻の形や病気による歯への影響

鼻の形や病気による歯への影響

鼻炎・副鼻腔炎はいずれも鼻水・鼻詰まりによって鼻呼吸への移行を妨げます。また、鼻の形の異常、アデノイド肥大が同様の弊害をもたらすこともあります。
ただし、アデノイド肥大は通常6歳頃でピークを迎え、その後小さくなっていきます。
必要に応じて、耳鼻咽喉科をご紹介いたします。

子供の受け口は放置しておくとどうなる?

お子さんの受け口を放置しておくと、どのようなリスクが生じるのかをご紹介します。

成長と共に受け口が目立つようになる

通常、思春期頃から下顎が急激に大きくなります。そのため、受け口が目立つようになり、それに伴いそれぞれの問題も顕在化してきます。
受け口は基本的に、放置していて改善されることはありません。

顎に負担がかかり噛みづらい

受け口は、他の歯並びの乱れと比べても噛んだときの顎への負担が大きくなります。
噛みづらさを感じますし、顎の骨の吸収、顎関節症のリスクが高まります。

発音障害(しゃべりにくい)

特に「サ行」の発音が難しくなります。先述の通り、思春期に差し掛かるころに受け口が悪化するケースが多く、敏感な時期であるためにコンプレックスになりやすいと言えるでしょう。

子供の受け口の予防方法

乳幼児期の受け口が、永久歯の生え替わりを経て大人になるまでに自然治癒する確率は10%未満と言われています。
自然治癒の可能性に頼るのは、どう考えても得策ではありません。そこで重要になるのが、赤ちゃんの時期から始められる予防です。

母乳を与える・適切な哺乳瓶を選ぶ

母乳を与える・適切な哺乳瓶を選ぶ

顎・口周りの筋肉を適切に発達させるため、一般的な哺乳瓶と比べて吸う力を要する母乳育児をおすすめします。
粉ミルクを哺乳瓶で飲む場合にも、赤ちゃんがしっかり吸う力を使う哺乳瓶を選ぶとよいでしょう。ドイツ生まれの哺乳瓶「NUK(ヌーク)」などがこれにあたります。

おしゃぶりを使用する

おしゃぶりを使用する

寝ているときなどに口をポカンとあけたままでいると、下顎が前方に出てきて受け口の原因になることがあります。
おしゃぶりを使用すれば、これを防ぐことができます。

子供の受け口の改善方法・治し方

自力で治せるトレーニング

自力で治せるトレーニングご自宅で、自力でできるトレーニングをご紹介します。難しい場合には、ご来院の際に指導します。

  1. まず口を閉じ、舌先を左下の奥歯と頬のあいだに、舌をひねるようにして置きます。
  2. 舌先を、下の歯列の外側に沿って、右下の奥歯と頬のあいだまで、アーチを描くようにゆっくりと移動させます。このとき、舌先で歯列を外から抑えるようにするのがポイントです。
  3. 今度は、舌先を右上の奥歯の内側に置きます。
  4. 舌先を、上の歯列の内側に沿って、左上の奥歯の内側まで、アーチを描くようにゆっくりと移動させます。

この①~④を、1日30回繰り返します。一度に終わらせるのではなく、分割して行っても構いません。

矯正治療「マイオブレース」

矯正治療「マイオブレース」歯を直接動かすのではなく、口周りの筋肉を適切に発達させることで、本来の正常な歯並びへと導く矯正治療です。
日中の1時間+就寝中にシリコン製のやわらかいマウスピースを装着し、並行してお口のトレーニング(MFT=口腔筋機能療法)を行います。
学校に行くとき、遊びに行くとき、食事のときなどに装着する必要がないため、お子さんへのご負担も抑えられます。

急速拡大装置・拡大床など

急速拡大装置・拡大床など顎の骨を広げる「急速拡大装置」、顎の成長を促しながら歯列を広げる「拡大床」などを用いた治療です。
急速拡大装置は固定式ですが、拡大床は取り外し式です。これらを併用する場合もあります。

受け口の治療は5歳まで?早期治療のメリット

受け口は、骨格の問題によって生じることが多いため、他の歯並びの乱れと比べると早くからの治療開始が求められます。
5歳までに治療を開始するため、できれば4歳頃に一度ご相談いただければと思います。もちろん、それ以前のタイミングで受け口が気になったというとき、親御さんが受け口なので心配というときにはお気軽にご相談ください。

小さい子の方が
悪い癖を治しやすい

頬杖、口呼吸などの癖は、早くに改善するに越したことはありません。また指しゃぶりも、4歳頃にはやめさせるのが理想です。
早めに治療を開始することで、これらの癖を改善した状態で、顎の成長や生え替わりを迎えられる可能性が高くなります。

顎の成長に合わせた
早期改善が期待できる

顎の成長は、新しいスペースを生み出します。早期に治療を開始できれば、この顎の成長を十分に利用して、歯をより理想的な位置へ無理なく移動させることができます。また、抜歯の可能性の低減にもつながります。

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